今回の旅の目的は、能登演劇堂での無名塾公演・・・その千秋楽を観劇すること。
2004年の市町村の合併で、今は「七尾市」(田鶴浜町・中島町・能登島町)となったが、もともとは 人口8千人程度の中島町。その町で13公演は、想像をしにくい規模である。
これには、仲代達矢さんと中島町長の「プロジェクトX」のようなイイ話があると聞いている。「能登演劇堂」のサイト“施設紹介:工事関係者”に同氏と無名塾が、“トップページ”の最下段に120社を超える賛助会員の名前から、その様子の一部が窺える。
仲代達矢さんが「初めての喜劇」にチャレンジしたのが、この 能登演劇堂。2001年10月 「ウインザーの陽気な女房たち」。
この舞台が、とっても面白くて感動的で・・・そして この小さな町の演劇堂が、続いている意気に魅せられて・・・の能登行きだった。
少しばかり期待が大きすぎたためかも知れない。人生訓的な台詞が頻発する舞台は、眠気を催すほど喜劇の味を失わせていた。
八つ当たり的なことだが、演劇堂と書かれた石碑に、3m角近い透明のアクリル板が覆われ、なんと「七尾市中島文化センター」の文字が麗々しく記載されている。
ずっこけはしなかったが、ガックリ。なんで、こんな無個性な(伝えるものが何もない)名前をつけるのだろう。
演劇堂を町興しの起爆剤とした(勝手な推量だが)あの個性を、どうやら 新しい市のお役人さまは抹殺したいらしい。これは、喜劇でなく、笑いたいほどの悲劇だと思うのだが。
余計なことを書いたが、“能登島ガラス美術館”で開催されていた「国際ガラス展」「国内受賞作家による みぢかなガラスアート」は、『ガラスって凄い!』と感動を呼んだ作品で
いっぱいだった。
今年(2007年)3月25日。能登では(七尾市、輪島市、穴水町)震度6強を観測した。能登半島は、元気を回復しつつある。
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