旅の案内書で初めて知った。祖谷には､2つのかずら橋があるという。
秘境で名高いのが「西祖谷のかずら橋｣。
物品店で聞いた話では､5月の多客期に､6,000人の観光客が､この橋を渡ったという。入場料 500円。この日､橋の通行料だけで 300万円の収入である。

写真を撮った位置には､43億円を投じて､渓谷から立ち上げた巨大なコンクリートの駐車場と物産館。地下と地上で数百台の車が停められる。
すぐ側には､7〜8階だての高級ホテルが数棟。宿泊料は､高級レベルに合っている。日帰り温泉の代金が､1,000円。すごいなぁ･･･と驚いてしまう。

少々イヤミな書き方になった。正直「秘境」を売り物にした「バブル型観光産業」の匂いを感じてしまう。夜になれば当然､橋はライトアップされる。
もっと､お客様に来ていただくため､橋にはネオンが灯り､

同じ「三好市」にあって･･･こちらは､「東祖谷｣。市町村合併でどちらも「市」になった。「お客さま〜､きてくださ〜い」と悲鳴のようなものが聞こえる。

西のかずら橋と一緒に紹介されることが多いようで､名前の露出度には恵まれている。西のかずら橋「様様」である。･･･ところが､足場が悪い。県道32号線 → 国道439号線を1時間ばかり上ることになる。今は､さらに悪条件が重なる。
渓谷に面する国道に崩落事故が発生した。1年が過ぎたが､まだ復旧していない。険しい地域であるため､復旧の目処さえ､立っていないという。川沿いを諦め､トンネル化の計画もあるとか。そんな事情のため､迂回路となるが､まるで 別の山越えをする感じ。＋40分〜50分を要する。

秘境ムードは味わえるし､宿舎（昔の青少年旅行村を全面リニューアル）とした「いやしの温泉郷」は材木を軸とした建物で味があり､適度なぬめりのある温泉も心地よい。「熟年の旅」としては､大推薦としたいところだが､問題は 足だ。剣山を越えて､徳島自動車道「美馬」に抜ける道もキビシイ。
慣れない方面だったとは言え､1〜1.5車線のクネクネ道は､時速20〜25kmでの走行となった。もっと､便利にならないものかと痛感する。西祖谷の観光化路線には批判的であるのに､東祖谷へ来ると､観光化路線の推進に､協力をしたくなる･･･あぁ､勝手なものだ。

フロントの方は「迎えにも行きますよ」とのこと。定期的な送迎便は決められていないので､事前に相談をしてみよう。

祖谷への旅､もうひとつ､体験したいものがあって､クネクネ道に耐えながら､走った。
この「東」に､「奥祖谷観光周遊モノレール」が走っているという。インターネットで検索して､掲載されている写真を眺めても､「観光周遊モノレール」のイメージと合致しない。いったい どんな施設だろうと。