奈良県の南東部、大台ケ原(台東山脈)につながる三之公天然林。吉野川・紀ノ川を経て、太平洋に注ぐ・・・・・ここは源流の森。
地域環境保全林整備事業債と辺地対策事業債(細かいことは判んないけど)を利用して、749ヘクタールを村が買い取って、入山禁止にしてしまった。
いわば、「現代版おとめ山」。
写真は「森と水の源流館」のホームページから
昔のおとめ山は、領主さまの鷹狩など獲物の確保が目的だったけど、この現代版おとめ山・・・・・流域に住む人たちへの、清らかな水を提供するためだと・・・ちょっと「泣かせる話」ですね。
たった1本のブナの木が、8トンの保水能力があるとか。酸性雨が降っても、森を通して流れる水は、中性に浄化されているとか。すごい能力を持っているのですね、森って。
ダムを造るのか、森を蘇生するのか・・・前の長野県知事さんの話が迫ってくるようでした。
三之公天然林を買い取った「川上村」。人口2,045人(平成17年現在:この40年間で70%減少している)、面積の90%が森林。「木曾檜」「秋田杉」と並んで三大人工美林を誇っていた「吉野林業」も、外材に押されて、衰退の一途。早く言えば、な〜んにもない村とも言える。
ボクが、この村を好きになったのは、「村おこし」なんて言葉が流行する以前から、真正面から村おこしに取り組んでいること。いまでは、村営ホテルなど珍しくなくなったが、開設当時は「無茶だ」と。全国公営施設1,510軒中初の政府登録国際観光旅館。村の情熱が伝わったのでしょうか、このホテル、黒字。各地区から視察団がくるなど、村おこしのモデルになったとか。
「匠の聚(たくみのむら)」・・・これは、芸術家にアトリエ兼自宅を提供している。
木をベースにして、「学生交流事業“川上村木匠塾”」を始めたり、元気いっぱいに見える村だ。
この村にくると、「先見の明の大切さ」・・・そんな思いに駆られることがある。
もっとも、現実は厳しいようだ。村の動脈となるバス網、奈良交通バスは路線の一部を廃止した。
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