飛鳥時代には､宮廷の狩場として名をとどめていた町：大宇陀。町の公式ホームページを見ると､「万葉」「柿本人麻呂」「軽皇子（後の文武天皇）」･･･の文字が飛び込んでくる。

　ひむがしの 野にかぎろひの立つみえて かへり見すれば 月かたぶきぬ･･･人麻呂の歌だ。
「かぎろひ」とは､太陽が上るとき二上山がシルエットとなり､幽玄の絵模様を描く状態である。
今日でも その様を見ることができる。美しく豊かで静かな自然のひろがりの中に､万葉のドラマ･････町の案内文を素直に読むことができる。

江戸時代には､織田松山藩城下町として､奈良･吉野･伊勢方面の物資が集散し､宇陀･吉野の政治･経済･文化の中心地として大いに賑わいました･････その「賑わい」を､いま肌で感じることはできない。
反面､スローライフな旅の地としては､これは財産かも知れない。単に「なにもないこと」のスローライフではなく､「歴史の裏付けが見え隠れする」この町は､心に栄養を補給してくれる。